2022年10月22日の第六種神拝作法修習
七澤久子代表理事の講話

◆七澤久子 代表理事
皆さん、こんにちは。七種の修習を修められ、本日は、いよいよ六種神拝作法の修習です。甲府にお越しいただき、また、オンラインの皆さまにはご視聴をいただき、誠にありがとうございます。
白川の「おみち」を高濱浩先生よりご教授をいただきましたのは、昭和57年4月18日の祭祀でございました。そのときに、「お三宝を用意する、お榊の水を変える、毎日の所作が、奥様できますか?」初めにご質問がございました。「はい、私は神様に手を合わすことが好きでございます、たぶん大丈夫だと思います」と答えました。いよいよ白川の「おみち」の始まりでございました。七澤前代表は、これから二人で継ぎお伝えしましょう、ということで、高濱浩先生から伝承いただきました。
そのときに私が、「そういうことはできません」と、もし答えたら、この「おみち」が、なかったのかもしれません。子どもの頃から、母が神に向かう姿を見ておりましたので、神に向かう姿というのは、このような形なのかなと、子供ながらに思っておりました。
白川伯王家の「おみち」をお伝えして42年間あまり、今も「おみち」に佇むということは、想像もしていませんでした。
日々のお祓い、そして毎日のお三宝とお榊の準備をいたします。五種、そして六種の鎮魂作法でお供えします。お榊の芯も真っ直ぐになるように少し曲がっている枝ぶりを直す。それが大直日、神直日、ということでございます。曲がっているものを直す。その日(ひ)という、曲がりをきちんとする、中心軸を整えることは、とても大事だと、皆さんの前で、今、お話します。お榊そのものの形でございます。器でございます。器教という器の中にございます。お榊の芯を真っ直ぐにして、たわみを真っ直ぐ伸ばす。そして、きちんと、お榊の形になるように、出ているところは切って、形を整えることをしています。どうしてもお榊は前に倒れてきます。それを前に倒れないようにたわみを直します。
そして、お酒を献饌いたしました。そうしましたら、高濱浩先生が、もう一度やり直しとおっしゃいましたね。何がよくなかったのか、と思いまして、改めて見直しますと、瓶子のお酒が肩のところまで入っていなかったのです。六種の鎮魂をして、水の玉を入れる、蓋を開ける、そしてお酒の蓋を開けるときに、そこから気が立ちのぼります。
現代では炊飯器でございますが、お釜は、湯気があがりますね。湯気に向かって、きちんと「いただきます。どうぞご先祖様もよく召し上がってください」というお気持ちで、いただきます。それが伝わり、蓋を開けたときに、お三宝の一つひとつから、気の出ることは大事だと思います。
高濱浩先生が、七澤前代表と甲府に向かう際に、「七澤さん、屋根の上に気がみえますよ」とおっしゃっていました。ああ、先生は気づいてくださっていらっしゃる、と思いました。それはどういうことかといいますと、お祓いを上げている家の屋根は気が廻っています。それが高濱先生には見えるのです。お三宝を供えたとき、お酒の蓋を開けたとき、気がみえます。そして、一つひとつの所作に気が立ちのぼっています。
現代は、煩雑な社会情勢がございます。自分の体に、気が出ないときもあるかもしれません。そのときに、毎朝のお祓い、「祓いに始まり、祓いに終わる」お祓いこそ、自分の気が、自分の上から立ちのぼる。そして取り巻く屋根の上からも、気が立ちのぼる。それを実感していただければと思います。
書物を読まれ、大勢の方のお話を聞くというのはすごく大切です。そのうえでさらに、自分で体感して、自分軸を持ってお祓いをあげると、家のまわり、自分のまわりに気がたちのぼると思います。高濱浩先生は答えとして、「屋根の上から気がみえました、頑張ってお祓いをあげていますね」とおっしゃってくださったのです。
高濱浩先生、それから高濱清七郎先生も、生前にお会いするときは必ず、「私どもが亡くなっても、ご加勢するよ」ということをおっしゃってくださっていました。今、七澤前代表の姿はなくても、器そのもので、それは器の教えでございます。七澤前代表の心根の、真の通った気は、ここに立ちのぼっています。
本日10名の受講される方がいらっしゃいます。ご自身で体感していただき、自分の身になるものだと思います。一つひとつのことを大切にこちらに来られます。そして、ここで皆さんとともに、静謐な空間でお祓いをあげます。それは天に向かって自分がここにいます、とお知らせできることだと思います。
自分の生きている存在は、誰かが見ているのではないです。天と地が繋がる。天津神、国津神の天が繋がります。そこに自分の所作をきちんと正して、中心軸をもってお祓いをあげることです。そして口祝詞ではなくて、祓いの、お腹の底に力を入れながら、しっかり丹田から、吸う、そして吐く。そうすると、自身の気血が廻ります。お祓は、気と血、気血が廻る技でございます。日本の古よりある伝承でございます。これは体感があるからこそわかるのではないでしょうか。
本日は六種の神拝作法を皆さまに伝授いたします。ぜひこれを自分のものとして、体で、六種を体感して、自分の存在がここにあるということを明らかにしてください。そのように生きることで、歩く一歩も、力強く落ち着きます。そのお気持ちで、今日、この日を迎えられたことを、心から、喜びましょう。
限られているお時間ではございますが、修習のこのひとときを、私も改めて初心にかえり、皆さまとともに、六種鎮魂のお作法を受けようと思います。
それでは本日もよろしくお願いいたします。また、オンラインでご視聴の皆さま、ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。